FXの自動売買は、
「放置して稼げる」
「感情に左右されない」
といった魅力があります。
しかし現実には、多くのEAが長期運用に耐えられず失敗します。
SNSでも EA崩壊や大DD の報告が尽きません。
なぜ自動売買は失敗するのか?
その理由は決して“運”や“相場のせい”ではありません。
この記事では、EAが負ける根本原因を明確にし、
AI時代の自動売買としてどう改善すべきかを整理します。
1. バックテスト専用の“出来すぎEA”になっている
自動売買が失敗する理由の大半は、これに集約されます。
✔ 過去の相場にだけ最適化されている
✔ 未来で通用する設定になっていない
これを 過剰最適化(オーバーフィット) といいます。
バックテストは、
“すでに起きたチャート”を後から振り返っているだけなので、
- 多少無理なロジックでも勝ってしまう
- 勝てた部分だけ都合良く拾ってしまう
- ランダムなノイズすら「パターン」と誤認する
といった問題が簡単に発生します。
あなたが経験した、
2024年のローソク足で最適化しても、2025年では勝てない
これは典型例です。
2. 相場は変化するのに、EAは変化しない
もう一つの重大な原因は、
“相場変化への適応不足” です。
相場の性質は毎年変わります。
- トレンドの出方
- ボラティリティの大きさ
- 方向性の安定度
- ファンダメンタルズの影響
- 市場参加者の入れ替わり
こうした変化にロジックがついていけないと、
突然勝てなくなります。
つまり…
✔ EAは作った瞬間から“劣化”し始める
これを知らずに放置すると崩壊することが多いです。
仕様書でも
「モデルの再学習(Walk-Forward)を定期的に行う」
という方針が明記されています。
3. ドローダウン(DD)を軽視する
EAを選ぶとき、
「勝率」「PF」「月次◯%」ばかり見てしまいがちです。
しかし、本当に重要なのは 最大DD。
- DDが深すぎる
- 回復に何ヶ月もかかる
- メンタルが崩れて停止する
こうしたことが起きると、
どれだけ月次が高くても意味がありません。
自動売買の失敗は、
✔ 勝てないからではなく、DDに耐えられないから起こる
この視点が非常に重要です。
4. ロットを上げすぎる(または下げ方を知らない)
EAが調子が良いと、
ついロットを上げたくなります。
しかし…
- ロット上げ
- → DDが深くなる
- → 心理的に耐えられない
- → 悪いタイミングで停止
- → 取り返せない
この流れは“EA崩壊の黄金パターン”。
逆にいうと、
✔ ロットは「攻め」ではなく「守り」のために存在する
FXのロット管理は
“儲けるため”ではなく
“続けるため”の仕組みです。
仕様書では、
“月次3%前後の現実的ラインで運用”
という方針が設定されていますが、
これは非常に理にかなっています。
5. 連敗のメカニズムを理解していない
EAが負け始めると、
「このロジックもうダメだ」と感じやすいですが、
連敗は統計的に避けられません。
勝率50%のEAなら、
普通に10連敗します。
勝率60%でも、
6〜8連敗は頻繁に起きます。
✔ 連敗はロジックの欠陥ではなく“相場の状態異常”
✔ 連敗回避はロジック改善ではなく“運用改善”
悪い相場を避ける仕組みがないEAは、
連敗でメンタルが崩れて停止→再起不能
という最悪のシナリオになりやすいです。
6. 学習データと検証データを分けていない
「バックテストが超優秀!」
このときに多いのが、
✔ 学習データと検証データを混ぜてしまっている
という状態。
未来のデータが混じった状態で最適化すると、
当然“よく当たるEA”になります。
しかしその結果は、99%幻です。
AIモデルも同じで、
未来に近いデータで検証する Walk-Forward が必須 になります。
7. バックテストと実運用の比較ができていない
多くのEAでは、
- バックテストでは◯%
- 実運用では△%
- 違いが何かわからない
という状況に陥ります。
原因は、
比較するためのデータ形式が統一されていないから。
ミチビキでは、
バックテストも実運用も monthly_returns.csv に統一されていますが、
これは“EAを改善するための基盤”として非常に重要です。
じゃあ、どうすれば失敗しないのか?
詳しくは次の記事で解説しますが、結論だけ言うと…
✔ バックテストに依存しない
✔ 相場変化に追従できる仕組みが必要
✔ ロット管理とDD管理が最優先
✔ 毎週・毎月、モデルの状態を確認する
✔ 悪い相場では“引く”という選択肢を持つ
つまり、
“未来に適応できる構造”を持つ自動売買だけが生き残る
AI時代の自動売買は
「作って終わり」ではありません。
- 学習
- 検証
- 再学習
- 改善
- 停止判断
- 運用最適化
これらを継続していく“仕組み”があってこそ、
長期的な勝ちにつながります。
次回(記事⑩):ミチビキの今後のロードマップ
最後の記事⑩では、
- Walk-Forward後の未来の構想
- AIモデルの強化方向
- リスク管理の洗練
- さらなる適応型運用の計画
- 長期視点でのAI自動売買の可能性
といった「まだミチビキを売らない段階」で話せる範囲のロードマップをまとめます。
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