(カテゴリー:自動売買の安全策)
自動売買で最も危険なのは、
勝てない期間(連敗)をそのまま突っ走ってしまうこと です。
どれだけ精度の高いAIでも、
連敗は必ず発生します。
そして、連敗が深くなればなるほど
DD(ドローダウン)は急速に悪化し、
ロット次第では一気に破綻につながります。
この記事では、
・連敗が起きる理由
・連敗が危険な本当の理由
・安全に連敗を乗り切る方法
・ミチビキの連敗回避機能
をわかりやすくまとめました。
① どんなAIでも連敗は“必ず”起きる
勝率70%の戦略でも、統計的には
10連敗以上が普通に起こりえます。
数字だけ見ると矛盾しているように感じますが、
勝率が高いほど逆に“固まって負ける”ことがある。
例:
勝率70%の戦略 → 1000トレードあれば
・10連敗:ほぼ確実に起こる
・15連敗:たまに起こる
・20連敗:まれに起こる
これは“偏り”が生まれる自然な現象です。
② 連敗が危険な本当の理由
連敗が怖いのは DDが短期間で急激に深くなる からです。
● 例:ロット0.1で、
・1回 −1%
・10連敗 → −10%DD
・20連敗 → −20%DD
これは理論上だけの話ではなく、
実際の運用で“普通に起きる範囲”です。
そして、
DD −20%を超えると回復が一気に困難になります。
③ AI自動売買で連敗が発生しやすい状況
AIは感情がないため、
“悪条件のときでも淡々と発注し続ける”
という弱点があります。
● AIが連敗しやすい典型状況
・急な相場転換(レンジ→トレンド)
・ボラティリティの急上昇
・早朝や指標前の不安定な相場
・スプレッドが広がる時間帯
・モデル劣化による精度低下
このような時期に連敗が集中し、DDが跳ね上がります。
④ 連敗を“安全に止める”ための具体策
連敗は避けられないものですが、
被害を最小限に抑える方法は確立されています。
1)最大連敗数で自動停止
もっとも効果が高い対策がこれ。
例:
・最大連敗数:5回
・停止後は2時間休む
・1回勝てば再開
など、自動的に「一旦止める」仕組みを入れる。
ミチビキの「連敗回避モード」は、この考え方を採用しています。
2)相場フィルタで“危険な相場”を避ける
連敗は 悪条件のときに固まる ため、
危険な相場そのものに入らないのが最強の対策。
避けるべき相場の例:
・スプレッド拡大(早朝・週明け)
・乱高下する時間帯(NYオープン)
・低ボラで方向感がない相場
・急トレンドで逆張りが連続する場面
効果が大きいのは:
・ATRフィルタ
・ボラフィルタ
・時間帯フィルタ
・トレンド強度フィルタ
ミチビキの複合フィルタは、
この“連敗を起こす相場”を避けるためのものです。
3)ロットを固定し、ナンピンは絶対にしない
連敗を一番悪化させるのは、
“ロットを上げる癖”です。
● NG行動
・「負けを取り返したい」
・「勝てば戻るだろう」
・「倍ロットにすればプラテンできる」
これらは破綻の最短ルート。
自動売買は、
ロット固定のほうが統計的にもDDが浅く済みます。
4)勝ちやすい時間帯に絞る
連敗は「負けやすい時間帯」に固まりやすい。
例:
・東京時間はレンジで負けやすい
・欧州時間は急変動で負けやすい
・NY時間は方向が揃って勝ちやすい
時間帯フィルタを使うことで
“連敗が起きる時間”を避けられます。
5)モデルを定期的に再学習する
連敗はモデル劣化のサインでもある。
・急に勝率が落ちる
・いつも勝っていた場面で負ける
・相場の癖が変わっている
こうした場合は
Walk-Forward再学習を行い、
最新の相場に合わせることで連敗が減ります。
⑤ ミチビキが採用している連敗対策(仕様書ベース)
ミチビキには仕様書にも明記されている通り、
“連敗を避けるための仕組み” が多く入っています。
● 最大連敗数による発注停止
● 再開条件の指定
● ATR × ボラ × 時間帯 × トレンドの複合フィルタ
● Walk-Forwardによるモデル更新
● モデル劣化を防ぐ再学習ジョブ
● 診断AIで“連敗区間の特徴”を抽出
● ロット計算ロジックで安全側に調整
これらはすべて
「連敗が深くなる前に止める」
ための設計思想です。
まとめ:連敗は避けられない。だからこそ“管理”する
AI自動売買は、
勝てるときは自動で勝ち続けますが、
負けるときも自動で負け続けます。
連敗は避けられないもの。
しかし、
連敗を 早く・浅く・安全に止める ことはできます。
● 最大連敗数の設定
● 相場フィルタで悪条件を避ける
● ロット固定
● 再学習で最新の相場に合わせる
この4つだけでもDDが劇的に改善します。
次回の記事では、
「過剰最適化(過学習)を避ける方法」
をわかりやすく解説します。
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