FXの自動売買を始めると、まず気になるのは「バックテストで勝てるかどうか」。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
バックテストで良い成績が出ても、
本番で同じ結果を出せるとは限らない。
むしろ、多くのEAが“バックテストだけ強い”理由は、構造的な問題があるからです。
この記事では、過去データの罠を解説しつつ、ミチビキが採用している「正しい検証方法」について紹介します。
なぜバックテストは「簡単に成功してしまう」のか?
理由はシンプルで、バックテストは すでに起きた値動きを後から見ているだけ だからです。
EAやAIに“最適化の自由度”を与えると、モデルはこう動きます:
- 「勝てた期間だけうまく当てる」設定に合わせる
- 相場に存在しない“偶然のパターン”まで学習してしまう
- 使えない特徴量でも、過去には“たまたま効いていた”と認識する
これを 過剰最適化(オーバーフィット) と言います。
例えば…
- 2024年のローソク足だけで最適化した
- 2024年の勝てたポイントだけ抜き取って学習した
- 2024年のトレンドのクセに完全に合わせた
こうしたモデルは、2025年に入ると急に負け始めます。
あなた自身がすでに経験したように、
「2024年で最適化した設定が2025年で通用しない」
という状態がまさにこれです。
本当に重要なのは「未来に近いデータでテストできているか」
バックテストを正しく評価するには、
“未来を予測する状況にどれだけ近い環境で検証できているか”
がすべてです。
そのために必要なのは3つ。
① 学習データと検証データを分けること
過去10年のデータ全部で最適化してはいけません。
学習+検証を混ぜると、未来の値動きが紛れ込んだ状態になります。
ミチビキでは Walk-Forward の手順で確実に分離します。
② 検証データは「古すぎない」こと
相場は進化します。
- 2020年コロナショック
- 2022〜2024年の円安トレンド
- 金融政策の変化
- 市場参加者の入れ替わり
古いデータは価値が低く、むしろ邪魔になることもあります。
③ バックテストと実運用が「同じ形式」で管理できること
ミチビキでは、
バックテストも実運用も 同じCSV形式(monthly_returns.csv) で記録します。
これにより、
- バックテスト:〇月+3.2%
- 実運用:〇月+3.0%
という比較が簡単にでき、ズレをすぐに検出できます。
多くのEAでは、この「共通フォーマット管理」ができておらず、
バックテストだけ良く見える状態が起きやすくなっています。
Walk-Forward(WFO)が必須な理由
Walk-Forwardとは…
“過去で学習 → 直近で検証 → 最新で再学習を繰り返す方式”
です。
ミチビキはこれをシステムの中心に据えています。
具体的には:
- 過去データでAIモデルを作る
- 直近の数週間でテストする
- 最新データで再学習する
- これを毎週実行する(スケジューラで自動)
相場は「変化する生き物」なので、
AIモデルも「変化し続けなければいけない」。
バックテストで作った“静的なEA”ではなく、
自動で成長し続けるAI である必要があります。
バックテストで見るべき指標は「勝率」でも「PF」でもない
意外かもしれませんが、バックテストの評価で最重要なのは…
✔ 「月次リターン」と「ドローダウン」の関係
これが安定しているほど、未来でも崩れにくいEAになります。
ミチビキでは KPI ダッシュボードで以下を可視化します。
- 月次利益率
- 勝率
- PF
- 最大DD
- モデルのバージョン
- 最終再学習日
これにより、一時的な勝ち負けではなく、
“長期で安定しているか” を判断できます。
過去に勝ったEAより「未来に適応するAI」が強い時代へ
従来のEAは「過去に最適化」して終わりでした。
しかしAIは違います。
- 過去を見る
- 今を見る
- 未来に合わせて“自動で変わる”
特にミチビキは、
Walk-Forward・KPI・SHAP解析などを搭載し、
“動き続けるEA” を目指して設計されています。
バックテストの良し悪しはもちろん大切ですが、
“未来に適応し続けられるかどうか” が
これからの自動売買の勝敗を左右します。
次回:Walk-Forward(WFO)をさらに深掘り
次の記事では、今回触れたWFOについてさらに詳しく解説します。
- なぜWFOが「AI自動売買の必須技術」なのか
- どうやって毎週の再学習を管理しているのか
- ミチビキのスケジューラ(JobScheduler)が何をしているのか
- 実運用で強い理由
などを具体的に紹介します。
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