FXの自動売買における「バックテスト」は、過去の相場でどれだけ勝てたかを測る大切な指標です。
しかし、バックテストだけで未来が勝てるわけではありません。
EAの世界ではよくあることですが、
- 過去では勝ち続ける
- 実運用に入った途端に負け始める
という現象は避けられません。
これを根本から解決する鍵となるのが、
Walk-Forward(WFO:ウォークフォワード) という手法です。
この記事では、ミチビキが月次3%という現実的な目標を安定して狙うために採用している、WFOの仕組みを分かりやすく解説します。
Walk-Forward(WFO)は「最新の相場に追従するための再学習ループ」
Walk-Forwardとは、一言でいうと、
“過去で学習 → 直近で検証 → 最新で再学習” を繰り返す方法。
AIを「ずっと最新の相場に対応した状態」に保つための仕組みです。
もっとイメージしやすくすると…
- 過去の経験でモデルを作る
- 現在の相場で実力を試す
- 現在に近いデータでモデルを作り直す
- さらにまた試す
という“成長のループ”が続くシステムです。
これを定期的に繰り返すことで、AIは
「古い相場で最適化されたモデルのまま」 という状態になりません。
なぜWFOが必要なのか?最大の理由は「相場が変化し続けるから」
FX相場は毎年、毎月、むしろ毎週変わります。
- ボラティリティが高まる時期
- ほぼ横ばいのレンジ相場が続く時期
- 金融政策の影響でトレンドが崩れる時期
- 市場参加者が入れ替わる時期
こうした背景の変化によって、
“過去に強かったロジックが未来で急に通用しない”
というのは当たり前に起きます。
あなた自身も経験した通り、
2024年のローソク足で最適化した設定値が、2025年では勝てない。
この現象は、最適化そのものが悪いのではなく、
相場が1年経つだけで姿を変えてしまうからです。
この不一致を解消するのがWFO。
ミチビキはWFOを「自動」で回す
仕様書では、ミチビキの運用思想の中心に Walk-Forward再学習 が位置づけられています。
具体的には、
- 学習期間
- 検証期間
- 再学習タイミング(週1)
- AIモデルの更新
- KPIの反映
これらが 自動ジョブ(JobScheduler) によって動きます。
手動で学習し直す必要はありません。
人間の関与を少なくし、AIが主体的にアップデートしていく構造です。
WFOの流れ(ミチビキ版)
Step 1:過去データでAIモデルを作る
2023〜2024年など、一定期間を使って学習。
Step 2:直近データで検証(アウトオブサンプル)
ここで「未来データにどれだけ対応できるか」を確認。
Step 3:さらに最新データで再学習
検証で“反省”した内容も踏まえて、再度モデルを作る。
Step 4:実運用へ反映
最新モデルがミチビキ本体に組み込まれる。
Step 5:1週間後にまたStep1へ
スケジューラが再びWalk-Forwardを実行。
WFOのメリット①:古いクセに縛られない
EAが突然負け始める理由は、
「過去の環境で最適化された古いパラメータのまま」
だからです。
WFOはこれを防ぎます。
- トレンド型の相場になった
- レンジ相場に切り替わった
- ボラティリティが急に低下した
こうした変化にあわせて AIが自動で“今向きの設定”に調整される のが最大の強みです。
WFOのメリット②:人間の裁量を減らせる
EA運用で一番難しいのは、
- 「いつ設定を変えるべきか」
- 「トレンド転換にどう対応するか」
という“裁量判断”です。
WFOを採用すると、
裁量の負担をAIが肩代わりしてくれる。
人間は相場を予測する必要がなく、
“安定的に動くシステムを見守るだけ”の運用が可能になります。
WFOのメリット③:過剰最適化を避けられる
最適化しすぎたEAは、未来で必ず負けます。
勝った期間だけをうまく拾った「出来すぎ君」だからです。
WFOでは、
- 常に“過去と未来の差”をテスト
- 学習と検証を分けて評価
- 古い癖を捨てて新しい相場に対応
という工程を繰り返すため、
過剰最適化を自然に抑制できます。
AIのバックテストが「現実に近い」形で動くのが特徴です。
ミチビキの月次3%は「WFOが前提」
仕様書でも明記されていますが、
ミチビキは “月次+3%前後を目標にした運用支援ソフト” です。
この数値はWFOありき。
- 古いモデルのままでは不可能
- 相場変化をAIが追い続ける必要がある
- バックテストの安定性より“未来対応力”が大切
これらを実現するための技術がWFOです。
まとめ:未来で勝つために、AIは「立ち止まらず成長し続ける」
WFOは、
“未来の相場に適応し続けるAI”を作るための唯一の方法 と言ってもいいほど重要です。
ミチビキでは、
- Walk-Forward再学習
- KPIダッシュボード
- SHAP/Feature Importance
- 月次データの共通管理形式
これらすべてがセットで構築され、
「未来に強いAIトレード」を目指しています。
次回は「開発ログ①:初期モデルの構築と試行錯誤」
次の記事では、ミチビキの最初期モデルがどのように生まれ、
どんな壁を突破してきたのか、その開発ログを公開します。
ChatGPTとのやり取りの中で何が起きたのか?
どんな技術的決断があったのか?
“ミチビキ誕生の裏側” を楽しめる内容になります。
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