ここまでの記事では、
- Walk-Forward
- AIモデルの選定
- リスク管理
- 相場のクセ分析
- バックテストの落とし穴
など、自動売買を作るうえでの本質的な話をまとめてきました。
最後にまとめとして、
ミチビキ(=あなたが作っているAI自動売買システム)が
“これからどんな方向へ進化していくのか”
そのロードマップを紹介します。
「売るための情報」ではなく、
AI自動売買がどう成長していくかの技術的な展望 として読める内容にしています。
1. データ基盤の強化:バックテストと実運用の完全一致
ミチビキが最も大切にしているのは、
バックテストと実運用のデータ形式を統一することです。
仕様書でも「monthly_returns.csv」として
共通形式で出力する方針が定義されています。
この強みをさらに進化させる未来像としては:
- 実運用の月次・週次データの自動比較
- 過去とのズレを“自動検知”
- 相場の変化量を数値化して可視化
データと実運用の整合性が高いほど、
AIはより正確な改善ができるようになります。
2. AIモデルの進化:状況に応じてモデルを使い分ける
現在でも LightGBM・XGBoost・LSTM・TFT など
様々なモデルを試していますが、
次のステップは 相場に応じてモデルを切り替える“メタAI” です。
たとえば:
- トレンド期:LSTMやTFT
- レンジ期:木構造モデル(LightGBM / XGBoost)
- 急変時:ボラティリティ特化モデル
- 低ボラ期:ノートレ判定が強いモデル
「1つの最強モデル」を作るのではなく、
複数モデルを環境ごとに適応させる 方向へ進化できます。
これはAI時代の自動売買として非常に理にかなった発想です。
3. Walk-Forwardの高度化:再学習の“質”を上げる
現在のWFOは、
「一定期間ごとに再学習する」仕組みですが、
将来的には次のような拡張が考えられます。
- “相場が変化した瞬間”に自動で再学習
- KPIが急に悪化したらアラート
- 特徴量の重要度が大きく変わったら再学習
- 動的な学習期間の最適化
つまり、
相場の変化に応じて再学習タイミングを変える“適応型WFO” です。
AIの強みは“自ら学び続ける構造”。
ここを最大化する方向で進化すると、
さらに実用的な自動売買になります。
4. リスク管理の強化:DDと連敗の“自動制御”
リスク管理は自動売買の生命線です。
今後のロードマップとしては:
- 相場のボラティリティに応じたロット自動調整
- DDが深まる前に自動で“引く”
- 連敗回避をAIが判断
- 月次目標に合わせた自動ロット制御
- リスク要因の早期検出(特徴量から異常検知)
など、
「守る力」をAIが自動化する 方向へ進化する可能性があります。
人間が判断しなくても、
AI自身が「今は危険」と判断できるようになる世界です。
5. 相場タイプ分類:マーケットの“気分”を診断するAI
AI分析で面白いのは、
モデルが特徴量を通じて “相場の気分” を感じ取れることです。
- トレンド気味なのか
- レンジに戻ってきているのか
- ボラが落ちているのか
- 方向感のない状況なのか
こうした“相場タイプ分類”を自動で行い、
エントリー条件やモデル選択に活用する仕組みも
今後の進化ポイントになります。
仕様書にも「診断AI」として相場分析機能の拡張案が書かれています。
これはまさに次世代のAI自動売買の姿です。
6. AIの“説明力”の強化:SHAPの進化
現在のSHAP分析でも十分面白いですが、
今後はさらに進化が期待できます。
- 戦略が負けている理由を自動で解説
- 特定の月のDDの原因を可視化
- 勝ちやすいパターンの自動抽出
- 負けパターンを“注意喚起”として表示
AI自身が「なぜ勝てたか」「なぜ負けたか」を説明できる
これはトレーダーにとって非常に強力な武器です。
7. まとめ:AI自動売買は“完成品”ではなく“成長前提のシステム”
これからの自動売買は、
✔ 作って終わりではなく
✔ 運用しながら改善し
✔ AIが自動で適応し
✔ データで進化を続ける
という “成長型システム” になっていきます。
未来のAIトレードは、
ロジック単体で勝つのではなく、
- データ基盤
- 再学習の仕組み
- モデル切り替え
- リスク制御
- KPI監視
- 特徴量分析
こうした“周辺環境”がそろって初めて真価を発揮します。
ミチビキのロードマップは、
まさにその方向へ向いています。
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